為替市況

本記事では、2025年10月の為替市況について解説いたします。

 

テクニカル分析も重要ですが、FXは外貨と外貨の両替による取引で損益が発生します。

 

そのため週間レポートは、通貨の売買を促すきっかけとなるファンダメンタルズ(経済/金融の流れ)中心の見解となります。

 

各週の相場状況・重要トピックスについて解説します。

 

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2025年10月6日~10日

 

 

①(月)円安&株高

  • 高市氏(自民党総裁に)
  1. ドル円2円窓あけからのスタート
  2. 日経平均株価に関しては+2175円

 

②(月)円高

  • 本田悦朗元内閣官房参与
  1. 150円を超えたら、やや行き過ぎだろう
  2. 10月の利上げ否定だが、12月の可能性にも触れている

 

③(火)円安

  • 高市トレード2日目
  1. 本格的に円安が始まる
  2. ドル円は152円に到達

 

④(水)ユーロ高

  • 月曜日にルコルニュ首相が辞任
  1. 最速の辞任が月曜日に発表
  2. 48時間以内に次の首相を発表
  3. 国民議会(下院)の各勢力との協議で一定の進展があった

 

⑤(水)円高

  • 高市トレード3日目
  1. 日経平均株価は落ち着いてきた
  2. 1、2日目よりは失速
  3. ドル円は153円に到達

 

⑥(木)円安

  • 高市トレード4日目
  1. 東京〜欧州時間にかけて続く
  2. ドル円は153.200円に到達

 

⑦(木)ドル安

  • 要人発言(ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁)
  1. 年内のさらなる利下げを支持
  2. 雇用減速に注意が必要
  3. インフレ見通しは年初ほど深刻ではない
  4. ドル円は152.497円まで下落

 

⑧(木)円高

  • 要人発言(高市自民党総裁)
  1. 行き過ぎた円安を誘発するつもりはない
  2. 私の立場で利上げについて発言すべきではない
  3. 物価に対しても「コストプッシュ型」を指摘
  4. 瞬間的に一旦152.114円まで下落から反発

 

⑨(金)円高

  • 自公連立が解消
  1. 26年の協力関係に終止符
  2. 高市氏の総理就任が以前より少しだけ劣勢に
  3. 高市トレードに影響

 

⑩(金)ドル安

  • トランプ大統領発言
  1. 11月1日から中国に100%追加関税
  2. 中国が世界を人質に取ることは許されない
  3. 米国の関税措置は中国の輸出規制に基づく
  4. ドル円151.174円まで下落
  5. 米株3指数暴落

 

【対ドル|騰落率】【対日本円|騰落率】

 

当該週の為替相場は、ドル円・クロス円にて高市新総裁誕生により窓を大きく開けてスタート。

 

ドル円の値幅は4.24円(424pips)となり、窓開き分を含めると5.78円(578pips)と大相場となりました。

 

現在は151円前半付近を推移しています。

 

では今回のメイントピックスである「高市トレード」「米中貿易戦争再開」についてまとめていきます。

 

高市トレード

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-10-07/T3QLGSGP493500

 

「高市氏」が自民党総裁になり、首相になる可能性があるとして、相場は大きく上昇することになりました。

 

<高市氏と円安が結びつく理由>

マーケットでは、高市自民党総裁は拡張的な政策を取るだろうという見方が強いです。

 

例えば、財政出動(国の支出を増やす)や減税・給付拡大などになります。

 

そうすると債務が増え、日本円の価値が下がることになります。

ということでマーケットは、「日本円は売ればいい」と思っているということです。

 

そして日銀の利上げに対して慎重姿勢というところもあります。

先週に高市氏のブレーンの本田悦朗元内閣官房参与が「利上げをしたとしても12月」という内容から、ここに関してはマーケットが思っている以上に緩いところかもしれませんが、、、

 

<マーケットの反応>

ドイツ銀行とゴールドマン、円ロング推奨を中止 高市氏勝利で

https://jp.reuters.com/markets/japan/SWOKNGAY3FNIZK3GO4TICP4LVY-2025-10-06/

 

<懸念点・リスク>

ただし、この円安が続けば、輸入インフレが再加速する可能性もあり、物価高対策を重視する政策とは矛盾を孕むリスクがあるという指摘もあります。

 

引き続きですが、高市氏がどこまで「リフレ政策(インフレを許容して経済を刺激する政策)」に傾倒するかは不確実ですが、引き続きその度合いを見ながらの動きにはなりそうです。

 

週前半から中盤にかけては上記のような背景から円安が加速していたということになります。

 

しかし金曜日に「自公連立が解消し26年の協力関係に終止符」することになりました。

 

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-10-10/-nhk-mgkh8sqi

 

この影響を受け、高市氏が新首相になると見られていましたが、この連立解消の動きを受け、以前よりは若干劣勢になった状況となります。

 

決選投票を経て「高市首相」が誕生する可能性が高いとされていますが、問題は公明党の協力を失うことで、首相の座に就いても厳しい政権運営を強いられるのは確実とされています。

 

今掲げている政権運営をしていくことが難しくなれば、上記の<懸念点・リスク>が浮き彫りになってきて、うまく政権運営をできない状況になる可能性もあります。

 

現在、今後の戦略の練り直しに入ったと言われていますので期待したい所ですが、金曜日の高市トレードが失速した要因は上記の影響もあります。

 

米中貿易戦争再開

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-10-10/T3X8TRGPL42Y00

 

そして金曜日にドル安・米株安の要因の1つになったのが「米中の貿易について」になります。

 

【トランプ米大統領】

  • 中国は非常に敵対的になっている
  • 中国製品への関税引き上げを検討中
  • 中国はレアアースに関して悪質な動きを見せた
  • 韓国で習近平・中国国家主席と会う理由はないようだ
  • 米国は11月1日から中国に100%の追加関税を課す
  • 米国の関税措置は中国の輸出規制に基づく

 

トランプ氏は、中国のレアアース輸出規制に関して「貿易で極めて攻撃的な姿勢を取った」と批判し、対抗措置を打ち出しました。

また、全ての重要な米国製ソフトウエアの輸出規制もあわせて導入すると明らかにしました。

 

「11月1日から、米国は中国に対し現在課している関税に加え100%の関税を課す」と自身のSNSに投稿。

 

また、月内で調整していた中国の習近平国家主席との会談について「今はその理由がなさそうだ」と書き込みましたが、現地には向かうとのことで、後に「取りやめたわけではない。会談するかもしれない」と発言しております。

 

これがTACO「Trump Always Chickens Out(トランプはいつも尻込みして退く)」になるのか確認していかないといけません。

もし中国とそのまま会談し、妥協点を合わせることになレバTACOトレードと評され買い戻しが再開する可能性もあります。

 

週明けの動きに注目です。