本記事では、2026年3月の為替市況について解説いたします。
テクニカル分析も重要ですが、FXは外貨と外貨の両替による取引で損益が発生します。
そのため週間レポートは、通貨の売買を促すきっかけとなるファンダメンタルズ(経済/金融の流れ)中心の見解となります。
各週の相場状況・重要トピックスについて解説します。
目次
2026年3月30日~4月3日


トランプ発言に翻弄される市場と、原油114ドルへの歴史的暴騰
今週の金融市場は、トランプ大統領の演説や報道によって「イラン戦争の早期終結期待」と「泥沼化・激化への恐怖」が交互に押し寄せました。
また、160円に乗せたドル円に対して日本政府が強い牽制を行ったことで、為替相場も神経質な展開が続いています。
1. 為替相場の総括:160円の壁と乱高下

先週末に160円の大台を突破したドル円でしたが、週初に急反落し、その後は158円台〜159円台後半での荒い値動きとなりました。
- 「断固たる措置」による牽制:三村財務官が就任後初めて「そろそろ断固たる措置が必要」と強い表現で円安を牽制。植田日銀総裁のタカ派的な議事要旨も相まって、160円台から一時159円台前半へ押し戻されました。
- ヘッドラインによる乱高下:トランプ大統領の「早期撤退」報道で有事のドル買いが巻き戻され158.50円付近まで下落する場面もありましたが、その後の強硬発言で再び159円台後半へ急反発するなど、完全にニュースに振り回される展開です。
2. イラン戦争の行方:情報錯綜と原油のパニック買い

今週最も市場を揺さぶったのは、米国とイランの動向、そしてそれに連動する原油相場です。
- 期待を裏切るトランプ演説:WSJ報道などで「戦争終結」への期待が高まっていましたが、トランプ大統領は演説でこれを一蹴。「2〜3週間で極めて厳しい打撃を与える」「インフラ(橋など)を完全に破壊した」と発表し、戦争激化が決定定的となりました。
- 原油価格の歴史的暴騰:終戦期待の剥落により、WTI原油は1日で13.8%という歴史的な暴騰を記録し、一時114ドルに接近。エネルギー市場はパニック状態に陥っています。
- 新たな調停の動き:オマーンの仲介によるホルムズ海峡航行協定の策定や、英国主導による35カ国の航行自由回復に向けた協議など、水面下での外交努力も並行して進んでいます。
3. 各国の経済・金融動向:米雇用統計のサプライズ

週末(金曜日)に発表された米雇用統計は、市場に「米経済の底堅さ」と「インフレ長期化」を突きつける結果となりました。
- FRBのスタンス:パウエル議長は「利上げも利下げも急ぐ必要はない」と発言し、現在の政策金利を維持しつつ様子を見る姿勢を強調しています。
- 日本の「真のインフレ」:日銀が発表した新指標(補助金などの特殊要因を除くCPI)が「2.2%」となり、日本のインフレ圧力が依然として目標の2%を超えていることが明確になりました。
- 米雇用統計(大幅な上振れ):3月の非農業部門雇用者数は17.8万人増となり、市場予想(6.5万人増)を大幅に上回りました。ストライキの終結(医療分野など)が寄与した形ですが、採用の広がりは約2年ぶりの高水準です。
- 失業率の低下と裏側の要因:失業率は4.3%(予想4.4%)へ予想外に低下しました。ただし、働き盛りの労働参加率が2021年以来の低水準(61.9%)に低下しており、「職探しを諦めて労働市場から退出した人」が増えたことが失業率低下の一因となっています。
- 市場への影響:今回のデータは「イラン戦争の供給ショックが本格化する前」のものですが、すでに労働市場が安定していることが証明されました。原油高と強固な雇用が合わさることで、FRBのインフレ警戒姿勢はさらに強まる(利下げは遠のく)と見られ、発表後に米長期金利は上昇しました。
4. 金融システム不安:プライベートクレジットの動揺とバフェット氏の警告

高金利と景気不透明感が続く中、今週は金融市場の「影のリスク」が大きくクローズアップされました。
- 前代未聞の解約急増:資産運用大手ブルー・アウル・キャピタルが運営するプライベートクレジット(非上場企業向け融資)ファンドで、最大40.7%という前例のない規模の解約請求が発生し、償還を5%に制限しました。AIの進化に伴う既存ソフトウエア企業のビジネスモデル崩壊懸念などが背景にあり、同社株は上場来安値を更新しました。
- バフェット氏の警告:著名投資家ウォーレン・バフェット氏は、ノンバンク(プライベートクレジット等)と結びつきを深める銀行システムの脆弱性に警告を発しました。「混雑した劇場で『火事だ』と叫べば一斉に走り出す」とパニックの連鎖リスクを指摘しており、世界的な金融不安の「新たな火種」として市場の警戒感を高めています。
今週の主要トピックスまとめ

- 為替相場:三村財務官の「断固たる措置」発言により160円台から反落。その後は中東ヘッドラインに振り回され158円〜159円台で乱高下。
- 地政学:トランプ大統領が「早期撤退」を示唆する報道から一転、重要インフラ破壊や強硬姿勢を鮮明にし、戦争激化の懸念が高まる。
- 原油相場:戦争の早期終結期待が裏切られたことでパニック買いが発生。WTI原油が1日で13.8%暴騰し、114ドルに接近。
- 金融政策:パウエルFRB議長は「急ぐ必要はない」と様子見姿勢を強調。日銀は新指標で2.2%のインフレを確認し、利上げ余地を示唆。
- 国際協調:ホルムズ海峡封鎖に対し、英国主導で35カ国が航行自由回復の協議を開始。イランはオマーンを仲介役に協定案を模索。
- 株式市場:終戦期待で上昇する場面もあったが、トランプ氏の強硬演説で急落するなど、原油価格と戦争報道に一喜一憂する神経質な展開。
- 金融システム不安:ブルー・アウル社のファンドで前例のない解約請求が発生し償還制限。バフェット氏も金融システムの脆弱性とパニックの連鎖に警告を発した。
来週の注目ポイント




週末から週明けにかけては「イースター休暇」に入り、欧米をはじめ多くの市場参加者が不在となります。
市場の流動性(取引量)が極端に低下するため、このタイミングで中東関連の大きなニュースや、金曜日の「米雇用統計」の結果が市場に投下されると、少ない資金でも価格が異常なほど大きく飛ぶ危険性がありますので注視していく必要があります。
さらに、プライベートクレジット市場の動揺が他のファンドや銀行へ波及する懸念も燻っており、市場は「高インフレ・高金利・金融不安」の三重苦を意識し始めています。
2026年3月23日~27日

錯綜する情報戦と「スタグフレーション」の足音 — ドル円はついに160円突破
今週の金融市場は、週前半の「トランプ大統領による停戦期待(原油急落)」から、週末にかけての「交渉難航・インフレ再燃(原油100ドル超え・ドル円160円突破)」へと、乱高下を演じる一週間となりました。
1. 為替相場の総括:巨大な防戦売りを突破し「160円」突破へ


週初めは159円台後半でスタートしたドル円ですが、トランプ大統領の「攻撃延期」発言を受けて一時158.02円まで急落。
しかし週末には流れが完全に逆転することになりました。
- 160円突破の背景:中東情勢の長期化懸念による「有事のドル買い」に加え、160円に設定されていた巨大な「バリア・オプション(防戦売り)」を突破したことで、ショート勢の買い戻し(ストップロス)を巻き込み上昇が加速しました。
- 介入警戒の最高潮:160円に乗せたことで、週明けの日本当局による牽制発言や実弾介入(為替介入)への警戒感がかつてないほど高まっています。
2. 振り回された中東情勢と「原油100ドル」の現実


今週は、米国とイランの「情報戦」が相場を大きく揺さぶりました。
- 停戦の噂と否定:トランプ大統領が空爆を「5日延期」、さらに「10日延長」とし、イランとの合意間近をアピールしました。これにより原油は一時85ドルまで急落しましたが、イラン側はこれを「フェイクニュース」として完全否定。米国が提示した15項目の和平案も拒絶されました。
- 原油価格の再急騰:攻撃猶予の延長(口先だけの停戦アピール)に市場が慣れてしまい、週末には「戦争の泥沼化」という現実を再評価。原油先物価格は再び急騰し、ついに101ドルを突破しました。
3. 米国市場:「スタグフレーション」の恐怖と株価急落


米国経済には、最も警戒すべきシグナルが点灯し始めました。
- 景気減速とインフレの同時進行:ミシガン大学消費者信頼感指数が低下(景気悪化)する一方で、期待インフレ率が3.8%へ急上昇。物価高と景気後退が同時に進む「スタグフレーション」の懸念が強まっています。
- 株式市場の総崩れ:米主要3指数は5週連続の下落(過去4年間で最長)。ダウやナスダックは重要なサポートライン(200日移動平均線)を下抜け、VIX(恐怖指数)も31%に跳ね上がるなど、下落トレンドが鮮明になっています。
4. 日本国内:隠れた「真のインフレ」


日本の2月全国CPI(生鮮除く)は、政府の補助金効果で「1.6%」と日銀の2%目標を下回りました。
しかし、日銀が新たに公表を始めた「特殊要因(補助金など)を除く新指標」では「2.2%」の上昇となっており、日本のインフレ圧力が依然として根強いことが証明されています。
今週の主要トピックスまとめ




- 為替相場:有事のドル買いとオプション防戦売りの突破が重なり、ドル円がついに160円の大台を突破。
- 地政学:トランプ大統領が攻撃猶予を「10日」へ延長し停戦をアピールするも、イラン側は拒否。情報が二転三転。
- 原油相場:停戦期待で一時85ドルへ急落する場面もあったが、週末には情勢長期化を織り込み原油先物価格が101ドルを突破。
- 米国経済:消費者マインドの低下と期待インフレ率の急上昇が重なり、最悪のシナリオ「スタグフレーション」の懸念が台頭。
- 株式市場:金利高と地政学リスクにより米主要3指数は5週連続下落。VIX(恐怖指数)は31%に達し、テクニカルも悪化。
- 日本情勢:2月CPIは補助金の影響で1.6%に低下したものの、日銀の新指標(特殊要因除外)では2.2%とインフレの根強さが判明。
- 中銀動向:米FRBはインフレ高止まりから「当面据え置き」の公算大。
来週の注目ポイント




160円という未知の領域に突入したことで、来週は「日本政府・日銀がどこで(実弾)介入に踏み切るか」が最大の焦点となります。
ドル一強の相場環境では単独介入の効果は限定的になりがちですが、年間の重要なレジスタンスライン(163.70円付近など)に向けた投機筋との激しい攻防が予想されます。
また、週末の地政学ニュース(特にイラン側の動向)次第で、月曜日の朝に為替や原油が大きく窓を開けてスタートするリスクが極めて高い状態です。
2026年3月16日~20日

狂奔する原油相場と日米欧「タカ派シフト」— ドル円は157円台へ急反落からの159円台へ急上昇
今週の金融市場は、中東の地政学リスクとそれに振り回される原油価格、そしてインフレ再燃を警戒する各国中央銀行の政策発表が入り乱れる、極めてボラティリティ(変動率)の高い一週間となりました。
1. 為替相場の総括:160円目前での足踏みから「急反落」から「急上昇」へ


週前半、ドル円は159円台後半での高値圏を推移していましたが、木曜日に流れが一変し、一時157.52円まで垂直落下(1日で約2.3円の下落)しました。
ドル円下落の背景
- ① 日銀のタカ派姿勢:植田総裁が「4月利上げ」の可能性を排除しなかったことで円買いが加速。
- ② 米国の財政悪化懸念:イラン戦費として米国防総省が約32兆円の追加予算を要求したとの報道で、米国の財政悪化が意識され「ドル売り」が発生。
- ③ 原油高の一服:トランプ大統領の介入などにより、原油価格が下落したことで有事のドル買いが後退しました。
ドル円上昇の背景
- ① FRBによる年内利上げ観測:パウエル氏の発言が高派だったことから、米利下げ観測が後退。
- ② 米国・イスラエルとイランの軍事衝突報道:「イランがクウェートの製油所を攻撃した」「イラクは供給責任を免れる不可抗力宣言(フォースマジュール)を外国企業が運営する全ての油田に対して出した」「米国は中東に追加で数千人の海兵隊と3隻の軍艦を派遣」「米国はイランへの地上部隊展開の準備を進めている」との報道が相次いで伝わりました。
2. 激動の中東情勢と原油相場


原油価格(WTI)は、各国の要人発言や軍事行動によって激しく上下しました。
- 週前半(下落):ホルムズ海峡の一部通航再開や、IEA(国際エネルギー機関)による過去最大規模の備蓄放出発表で、一時90ドル台前半まで下落。
- 週央(急騰):イスラエルがイランの巨大ガス田を攻撃し、報復としてイランがカタールやサウジのエネルギー施設を攻撃。原油価格は再び100ドル目前まで急騰。
- 週末(急反落):トランプ大統領がイスラエルに「エネルギー施設への攻撃停止」を要求。また、サウジが紅海経由の代替ルートで輸出を回復させたことで、原油は94ドル台へ急落し、市場に安堵が広がりました。
3. 「中央銀行ウィーク」の結果:世界的なインフレ再燃への警戒


今週は日・米・欧・英・豪で金融政策の発表が相次ぎましたが、原油高による「物価高(インフレ)の再燃」を防ぐため、軒並みタカ派(金利を高めに保つ・上げる姿勢)にシフトしました。
- FRB(米国):政策金利を据え置き。年内の利下げ見通しを「1回」に維持し、パウエル議長は「インフレ鈍化がなければ利下げはない」と明言。事前の強い米PPI(生産者物価指数)も相まって、早期利下げ期待は完全に後退しました。
- 日銀(日本):マイナス金利解除後の金利(0.75%)を据え置き。しかし、植田総裁は原油高による物価上振れリスクを警戒し、次回の「4月追加利上げ」の可能性を示唆しました。
- ECB(欧州)・BOE(英国):いずれも据え置きでしたが、エネルギー価格の高騰を理由に「次回の利上げ」の可能性が急浮上しています。
- RBA(豪州):予想通り利上げ(4.10%)。インフレリスクの上振れを警戒しています。
4. 日米関係と株式市場の動向


- 日米首脳会談:高市首相がトランプ大統領に対し、ホルムズ海峡問題で「日本の法律でできること・できないこと」を論理的に説明し、トランプ氏から高い評価を得ました(NATO諸国への厳しい批判とは対照的でした)。
- 株式市場:テクノロジー企業のAI関連の明るい見通し(エヌビディアの強気発言など)が下支えとなる一方、高金利の長期化懸念や「プライベートクレジット(非銀行融資)」のリスクが重石となり、神経質な展開が続きました。
今週の主要トピックスまとめ




- 金融政策:日・米・欧・英が揃って「据え置き」。ただし原油高を背景にインフレ再燃を警戒し、将来の利上げを示唆するタカ派姿勢。
- 地政学:イスラエルのガス田空爆への報復として、イランがカタール・サウジの施設を攻撃。緊張状態は依然継続。
- 日米関係:日米首脳会談にて、高市首相が法的に「できること・できないこと」を明確に説明。トランプ大統領から高い評価を獲得。
- 原油相場:報復合戦で一時100ドルに迫るも、トランプ大統領の攻撃制止発言やサウジの代替ルート稼働により、94ドル台へ急反落。
- 米国情勢:米国防総省が対イラン戦費として約32兆円の追加予算を要求。米国の財政悪化懸念が浮上し、ドル売りの要因に。
来週の注目ポイント




- 中東報道のヘッドラインリスク:トランプ大統領の「間もなく終結する」との発言が現実に向かうのか、突発的な軍事衝突が起きるのか、引き続き原油価格の動向が全て(金利・株・為替)の起点となります。
- 日銀の「4月利上げ」の織り込み:ドル円が157円台で底打ち反転するのか、あるいは日銀の利上げを意識して上値の重い展開が続くのかが焦点です。
原油価格の乱高下に加え、各国の金融政策の変化が重なり、相場のトレンドが非常に変わりやすい「転換期」に差し掛かっています。週末に重大なニュースが出る可能性もあるため注意が必要。
2026年3月9日~13日

イラン戦争泥沼化と「トリプル安」の危機 — ドル円は160円目前へ
今週のマーケットは、先週勃発したイラン戦争の「早期終結期待」と「長期化懸念」が激しく交錯しました。
原油価格の動きが為替・株価の全てのトリガーとなる、極めて神経質な展開が続いています。
1. 為替相場の動向:介入警戒圏の160円手前まで上昇中


ドル円は原油価格の騰落に極めて高い相関を見せ、一進一退ながらも上値を追う展開となりました。
- 有事のドル買い継続:イラン新指導部モジタバ氏による「ホルムズ海峡の閉鎖継続」宣言や、米本土(西海岸)への攻撃予告、カーグ島の軍事施設へ空爆などを受け、リスクオフのドル買いが強まり、一時159.733円まで上昇し引けを迎えています。
- 乱高下の背景:G7による石油備蓄放出の検討やトランプ大統領の「早期終結」発言で158円台へ押し戻される場面もありましたが、情報の錯綜により、結局は下値の堅さが意識されました。
2. エネルギー危機:原油111ドル突破と史上最大の備蓄放出


- 原油価格の暴騰:ホルムズ海峡封鎖により産油国の貯蔵タンクが満杯となり、供給遮断への懸念からWTI原油先物は一時111ドルを突破。
- G7・IEAの緊急対応:市場のパニックを抑えるため、IEA加盟国は過去最大規模(計4億バレル)の石油備蓄放出を決定。日本も約8,000万バレルの拠出を決めましたが、戦況の悪化がその効果を打ち消しています。
3. 新たなリスク:金融市場に忍び寄る「影の銀行」危機


今週、投資家が最も警戒を強めたのが「プライベートクレジット(非銀行による融資)」の異変です。
- 解約制限の発動:モルガン・スタンレー等の大手ファンドが、投資家からの払い戻し請求に対し「償還制限」をかけました。
- 背景:AIの進化により既存ソフトウエア企業の価値が揺らぎ、それらへの融資が「隠れ不良債権」化している懸念が浮上。これが「第二のリーマンショック」になるのではという恐怖が株価の重石となっています。
今週の主要トピックスまとめ


- 地政学:イラン新最高指導者モジタバ師が「徹底抗戦・海峡閉鎖」を宣言。
- 軍事衝突:米軍がイランの原油輸出拠点「カーグ島」を空爆。戦争の長期化懸念。
- 原油相場:一時111ドルまで急騰後、備蓄放出報道で90ドル台へ。しかし地政学リスクで再反発。
- 米政権:トランプ氏が「戦争は間もなく終わる」と発言するも、国防省や現場の動きと乖離。
- 金融リスク:プライベートクレジット市場での流動性危機。大手ファンドが資金引き出しを制限。
- 経済指標:米CPIはイラン戦争前の「インフレ鈍化」を示すも、現在は原油高による再燃が確実視。
週明け月曜日の注目ポイント


- 原油の「窓開け」急騰:週末の空爆ニュースをまだ織り込んでいないため、月曜朝の原油価格がどこまで跳ね上がるかが全ての鍵です。
- ドル円160円の「実弾介入警戒」:160円に乗せた瞬間に日本政府が動くのか、それとも静観するのか。投機筋との激しい攻防が予想されます。
- ホルムズ海峡の「機雷」問題:封鎖が「事実上」から「物理的(機雷による航行不能)」に変わる報道が出れば、さらなるパニックが予想されます。
今後の注意点


現在の相場は、経済指標の結果よりも「トランプ大統領のSNS」や「中東の軍事ヘッドライン」による突発的な動きが支配しています。
そして今週末は、「重大な軍事ニュース(カーグ島空爆)」が閉場中に出た状態で、月曜日の朝一は、あらゆる市場で大きく価格が飛ぶ(窓を開ける)可能性が極めて高いです。
特に原油価格の上昇は「インフレ懸念→金利上昇→ドル高」を直結させるため、WTI原油のチャートをドル円以上に注視する必要があります。週末の地政学リスクを考慮し、ポジションは極力軽く保つことを推奨。
2026年3月2日~6日

①(月)ドル高
- 有事のドル高
- 米・イスラエルVSイランとの戦争
- ホルムズ海峡封鎖からのインフレ加速警戒
- FRB利下げできないのでは?
- ドル買い
②(月)ドル買い
- ISM製造業景況指数
- 予想51.7 結果52.4(前回+52.6)
- 強い経済指標によりドル買いが先行
③(火)株安
- トランプ大統領
- イラン戦争の出口戦略について懸念
- 長期化になる可能性も考えて利確売り
- 朝:米海軍は必要であればホルムズ海峡でタンカーを護衛
- ホルムズ海峡封鎖問題を乗り切れるか?
④(水)ドル安
- イラン戦争終結に向けた交渉
- 戦争終結のデマ情報か?
- 有事のドル買いの巻き戻し
⑤(水)ドル高
- 経済指標
- ADP:予想+5.0万人 結果+6.3万人
- ISMサービス:予想53.5 結果56.1(前回53.8)
- 反応はドル高だが、限定的
⑥(木)ドル高
- クウェート沖でのタンカー爆発報道
- WTI原油先物価格一時82ドル台
- 有事のドル買いが発生
- イラン戦争長期化懸念で株安
⑦(金)ドル安
- 経済指標(雇用統計)
- 雇用者数:予想+5.5万人 結果-9.2万人(前回+13.0万人)
- 失業率:予想4.3% 結果+4.4%(前回4.3%)
- 平均時給(前月比):予想+0.3% 結果+0.4%(前回+0.4%)
- 平均時給(前年比):予想+3.7% 結果+3.8%(前回+3.7%)
- 瞬間的に下落
⑧(金)原油高
- 90ドル台突破
- 有事でのリスクオフの影響
- 世界的に原油高問題が発生
- ト:イランに『無条件降伏』を要求
先週の為替相場は、週末からイラン戦争が勃発し、ヘッドラインにふらされる一週間となりました。
ドル円の値幅1.96円(196pips)となり、現在は157円後半付近を推移しています。
では先週のおさらいになりますが、「イラン戦争勃発」についてまとめていきます。
イラン戦争勃発


https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-03-01/TB6O90KIP3I900
先週末に米国とイスラエルは、イランに対して大規模なミサイル攻撃を開始しました。
トランプ米大統領は全ての目標達成までイランへの攻撃を継続すると表明。
この影響で、イランの最高指導者ハメネイ師が死亡することになります。


https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-02-28/SY1CXIDWLU6800
そしてイランは対抗措置として、イスラエルに加え、中東各地の米軍基地などに報復攻撃を実施することになります。
この攻撃で湾岸地域の一部空港も被災します。
現在注目を集めているのは「ホルムズ海峡封鎖」の件になります。


https://news.yahoo.co.jp/articles/be8fefa8b824e5cea33cef5d315e1b6606f00bab
歴史上「ホルムズ海峡封鎖」は初めてのことで、注目を浴びる理由は以下になります。
- 世界最大の「石油のチョークポイント(交通の難所)」
- 液化天然ガス(LNG)の極めて重要な輸送ルート
- アジア経済(特に日本)への影響が大きい(石油)
- 迂回する代替ルートが乏しい
- エネルギー価格の暴騰を引き起こすリスク
- 世界的なサプライチェーンの分断
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-02-20/TAQY39KK3NY900
イランの精鋭軍事組織「革命防衛隊」幹部は、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡を封鎖したと主張。
同幹部は、海峡を通過しようとする船舶を「焼き払う」と発言。
革命防衛隊が攻撃を明言したことで不確実性がさらに高まり、資源価格の高騰につながる恐れがあります。
日本のガソリン価格や電気代の上昇に加え、原油供給への直接的な影響も生じかねないと言われています。


https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/75f3fe02db757fa5e61fe8e8063c5df19d4ec9ef
ここで、日本政府から石油備蓄が「254日分ある」と発表がありました。
ただし、LNG(液化天然ガス)の備蓄に関しては、わずか3週間分になりますので、こちらの方が危険な状態であると言うことがわかります。
このような状況が火曜日まで続いていましたが、水曜日からはトランプ大統領が「米海軍は必要であればホルムズ海峡でタンカーを護衛する」などと発言しており、安心感につながって株価も下げ幅を縮めることになり、有事のドル買いの巻き戻しが入ります。
そして木曜日には、欧州時間終了間際に「イラン側が戦争終結に向けた交渉」というNYタイムズの報道が流れ一気に相場が動き出します。


https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-03-04/TBDR4NKK3NY800
イラン情報省の工作員が第三国の情報機関を通じて米中央情報局(CIA)に接触し、戦争終結の条件を協議することを提案してきたとNYタイムズが報道しました。
ただし、イランの準国営タスニム通信はこれを否定しており、信憑性はありません。
この影響で一時的に「有事のドル買いの巻き戻し」が更に入ることになり、水曜日には一時的に156.800付近まで下落することになりました。
しかし、木曜日には以下の報道が入り、再び「有事のドル買い」が入ることになりました。
クウェート沖でのタンカー爆発報道が入ります。


https://jp.reuters.com/markets/commodities/OGQPUYTSW5OQPGCOG57PISIZ4I-2026-03-05/
イラン側からの攻撃が、ペルシャ湾の第三国へ飛び火している状態ですが、ペルシャ湾岸でのタンカー攻撃の急増に加え、アゼルバイジャンやオマーン、UAE(アラブ首長国連邦)などの周辺国・産油国に対しても、無人機(ドローン)による攻撃が相次いで発生しています。


https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR05BQ90V00C26A3000000/
この報道を受けてWTI原油先物価格が77ドル台後半まで一段と上昇すると共に、再度「有事のドル買い」が意識されます。
現在の状況をまとめると、イランが米国の石油タンカーを攻撃の報道が入り、原油が連日上昇し、ホルムズ海峡封鎖も続いて、週末へ向け地政学リスク増大の状況ということです。
上記の影響でインフレ懸念で金利上昇、ドル高・株安の地合いが続いているということです。
そして金曜日には、トランプ大統領がイランに対して『無条件降伏』を要求しました。


https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-03-06/TBHDCNT96OSL00?srnd=jp-homepage
金曜日の時点で、イラン戦争7日目に突入しましたが、トランプ大統領は自身のSNSで、「イランとの合意は無条件降伏以外にあり得ない」と強い言葉で宣言し、当面は停戦協議に応じない姿勢を明確にしました。
イランの軍事力を完全に破壊するまで戦闘を継続する可能性に言及しており、作戦の目標達成には4〜6週間かかるとの見通しも示しています。
この影響で、原油が90ドル台を突破してきていることが影響し、ますます物価高が心配される状況になってきています。
https://jp.reuters.com/markets/japan/R3EGWXVW65O4ZKLYT5OODWTMNM-2026-03-06/
原油価格が90ドル台に乗り、「100ドル超え」や物理的な供給停止リスクが現実味を帯びていますが、株式市場のボラティリティが高まっており、引き続き中東情勢に関するニュース(ヘッドラインリスク)にも引き続き厳重な警戒が必要です。